エントリ未満のかんそー

さて……。とにかく書いておこう。堀禎一『魔法少女を忘れない』がすごかった……と思う。いや、まちがいなくすごくて、ブルブルと震えながら座席に身を沈めていたのだけど(大阪初日レイトショー天気は雨、客はまばらながらも老若男女以外にヴァラエティに富ん…

ツンデレなんて(言葉)だいきらい

ある死生観について。「彼女の死を(わたしが)看取る」ということ。ここで呈示されるのは生がツンであり、死がデレである、という頭の痛くなるようなツンデレ観だろう。それを支えるのは彼女の死を観測するのは他ならぬ「わたし」である、という特権性。だ…

性懲りもなく追記:四畳半神話大系

とにかく早く書き上げたい一心ででっち上げたものの、昼寝してある程度すっきりした頭でざっと読み返してみるとあまりにひどい文章ではある。観念絵夢の記述必要ないじゃん、てなことにもなっている。だが頭をよぎってしまったのだからしょうがないし、その…

けっきょく不十全に言いっぱなしなわけだが

そうそうそう、っていうかバカバカバカ、なんだけど、『四畳半神話大系』について書こうと思って忘れていた事項があったので、なんとかいちどきにやっつけて忘れてしまいたい。このアニメを視ながら思い出していたのは『マゾバイブル』という相当にしょうも…

わが感想修行

そういえば、というわけではないが、別の用でtwilogを検索したときに見つけた自分のツイート。http://twitter.com/rakanka/status/6696604669 まあ……やっぱり麻枝准は自己参照の人ではあるな、と。そしてその「自己」の裾野にはテキスト自身と、その受容もま…

今日のご覧の有様

起床から一日を追っていこうと思う。 7:10 起床。昨日寝るギリギリまで書きかけてふと我に返りそのいっさいを忘我の果てに放り投げた一連の記述の醜悪さ、浅ましさを思い、嗚咽をおぼえつつ自動着衣装置に深く腰を沈める。炭水化物に口内の水分を奪われ、時…

語るはアニメばかりなり

いやー、まあ、例によって『けいおん!!』だけども。やっぱり思うのは「作品を観ようよ」ということに尽きる。視覚的ではない、思念や観念上の記号操作といった事どもについて穏当に考えを巡らしそれによって自らを慰撫し、他人に話しかけかつ適切に説明し…

流れに流れたよ

んー、つまり「呪縛されているのはチミだよ、チミ」ということなんだけど、すなわち作家という病はなく、素人分析家の心の安寧のためだけにテクストが細部に還元されることなく無数の部分に切り分けられ、摘みまわされ、いったん手術台のうえに並べ置かれた…

はじめての廃物利用(承前)

まあ……「『CLANNAD』は人生」というフレーズがあって、これは当該作品に対する匿名子のざっくばらんな見解を俗情と結託する形で意図的に誤読することによって生まれた、ほとんどナンセンスといってもいいほど解像度の粗い、ひたすら流通することのみを目指さ…

はじめての廃物利用

なんかtwitterで書き散らしたのをでっち上げ的に系統立てて引き取りまとめて貼り付けた挙げ句付記的に何かを書き加えればblogの更新も余裕な気がしたので一年近く更新を空けていた気まずさにおめおめくさぐさと身を貫かれながらもとりあえずはチャレンジング…

「監督の意図」なんて忖度したってしょうがない

Tony Scott『サブウェイ123 激突』を観たので覚え書き程度に。当日にぼんやりと映画館のタイムスケジュールを開き閉じを繰り返しているときにいくつかこの映画の評判を目にしていて、曰く「カップルにどうぞ」だの「70点の手堅い出来」だの手ぬるいものばか…

はてなにずいぶん前の下書きが残っていたのでそのまま復帰

『コッポラの胡蝶の夢』のことを具体的に人に説明しようとして苦し紛れに「それなりに金のかかった自主映画になぜかティム・ロスが出ているみたいな……」と口をついて出てそこではたと気がつき比喩ではなく本当に膝を打ってしまったのだけど、これってまるで…

何となく『ニーチェと哲学』を読んでいて……

はじめはぼんやりと文字を追っているだけだったのだけど、20ページを過ぎたあたりから徐々に頭が活性化し、読みが読みに継がれ読む行為に引っ張られ出した。やはりこの手の本、と言っていいかはわからないが、少なくともジル・ドゥルーズを読むにあたって留…

またもや紀伊國屋先生……

無意味に稀少化し各所でアホみたいな価格が付せられしかも品質がよろしいとは到底言えなかったビクトル・エリセの諸作がついにDVD-BOXとして復活……とのこと。寝惚けていた頭も一気に冴えましたよ!(明日も早いのに) 言うまでもなくいままでの状態が異常だ…

シャマランを観るぞ!と鼻息あらく出かけたが気がついたら『崖の上のポニョ』を泣きながら観ていた、というありがちな顛末。やりたくないことは極力やらず、やりたいことだけを全力でやったという印象を持つ。実質的にこれが遺作でもいいのではないだろうか…

ornette coleman好きにはけっこうたまらないものがあるよ、との聞こえよがしの囁きに乗ってうかうかとkornstad trioを買い、帰宅していそいそとプレイボタンを押すと、ゆっくりと揺らめきながら浮上しつつ沈み込むギター音と彼方で歪むバイオリン、そして湖…

とりあえず

カナザワ映画祭2008 フィルマゲドンのラインアップがすごすぎる……。クリスピン・グローヴァーおよびワイズマンの日本初公開作品二本に……意志の勝利!?……はだしのゲン! あ、アブグレイブの亡霊ってなに……消えた少女たちっておいおい……そして蟹工船ニュープ…

先月観たポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は観客を幕引きと同時に起立と快哉の喝采に駆り立てる作品だったとは思う、実際には腰を浮かしかけながらも緩慢に喉を上下させるだけでそのまますぐに腰をおろしたのだけど(シネコ…

ついさっき万田邦敏『接吻』を見て帰ってきたところ。こういう映画を観て即座に内容に立ち入った感想を口にしてしまうのは品がないとは思うし、そうせざるをえないのならば残念なことだなあと予定調和的な一抹の情けなさと侘びしさを禁じ得ないのだけど、大…

寝る前に中村光『聖☆おにいさん』を読んでいたからだろうか、夢の中で見知らぬ顔の大家さんから家賃未払いを激しくなじられつづけ、冷えびた呼吸に身体を縁取られながらゆっくりと朝を浮上していたのだが……。 せっかくメモしておいたのにNHK衛星第二のロベー…

メモメモ

あー忘れてた忘れてた。先週NHK衛星第二で吉田喜重やってたんだった。一本もみてない……。とりあえず火曜日の『ラルジャン』だけは忘れないようにここに書いておこう。 もうひとつ。東京でやるのは知っていたけど大阪ではスルーだと思っていたんでうれしいフ…

斉藤和義かと思ったらエレファント・カシマシでした

新刊屋と古本屋を兼ねる大阪天下茶屋駅にある天牛書店を久々にのぞいてみたら今日は一律220円の日だった。個人の関心による選別のフィルターが働いているのかも知れないが、同じ価格帯でも巡ってくる日が異なればラインナップの色合いも若干変わる。妙に柄谷…

土曜日は中津芸術文化村ピエロハーバーにてウリチパン郡『ジャイアント・クラブ』レコ発もといリリース・パーティ。十三にはFandangoと第七藝術劇場があるので何度か足を運んではいるがまさか梅田駅とのあいだに挟まっている阪急中津駅で降りることになると…

ひょっとしてあるかなあ、と茶太『空の記憶』を買うため寄ったついでに新刊コーナーを覗いてみたら案の定というか意外にもというかありましたよジーン・ウルフ『拷問者の影』がとらのあなに何冊か。さっそく恩恵が……。カバーも実物を手に取ってみたら思った…

一部映画館はいまだ心入れ替えることなく観客を映画泥棒扱いしている。しかしいったい映画を誰から盗むというのか?その場合盗まれる映画ってのはなんのことだ?そもそも何度観ようと決して映画を所有できないがゆえに無理を押して、万難を排し、不愉快な仕…

パンダサソ〜、パンダサソ〜

『ノーカントリー』を観た翌日に何の気なしに『悪魔のいけにえ』を観ていたら、冒頭でいきなり若者たちの乗るバンが屠殺場の前を通りかかり、中のひとりが「昔はハンマーで脳天を割っていたがいまは空気銃でボルトを撃ち込むんだ」と身振り手振りをまじえて…

岡田利規の小説が大江健三郎賞を受けた、との報せ。え、もうそんな季節なの、とまずそのことに驚いたりもしたのだが、ともかく前回の長嶋有につづいて、しかも今回はまったく予想外だったこともあって非常に喜ばしい限り。岡田氏の小説を読みながらベケット…

心斎橋クラブクアトロにてANIMAL COLLECTIVE。十人十色という言葉があるが、この世には赤や黄色や青という抽象的な混じり気のない色そのものが存在するわけではなく、様々な色同士が様々な割合で混じり合い、決してそれらすべてにあらかじめ名前がついている…

歌姫は売り子を兼ねた

島崎藤村がその場にいたらそう呟いたであろうが、ともかく昨日一般参加者としてM3大阪に足を運び、熱気やら痺気やら権謀術策やら深謀遠慮やら血やら汗やら因果のセル片やら天涯のだるま質やらがぶつかり合い立ちこめまみれ錯綜するグランキューブ大阪の決し…

七尾旅人かと思ったらCHARAでした

『ラザロ』『狂気の海』『一万年、後....。』の三作がいずれも学生とともに(『一万年』はそういう企画ではじまり、実際にはそうならなかったようだが)DVで撮られた2007年公開作であることに何の意味があるのかというと別段何の意味もないのだろうがこの偶…