このところD.I.Yについて考えていた……のは引きつづきThe Homosexualsを聴いているからなんだけど(まだ聴いていない頑固者は早いとこここらへんで買っておけよ! 翌日に山積みの仕事が控えていてもかまわずドラクエも犬マゲスのよだれを壷にひたすら溜め込みつつサボり年末に届いたRenoirのDVD-BOXの封も切らず『高い城』を枕もとに開きっぱなしにしながらひたすらCDを聴いているといつのまにか夜明けが目前に迫っていて、とある科学者が「熱死」とも呼んだであろう1910FRUITGUM COMPANYとTHE WHOの区別がつかなくなる瞬間がやってくるのだけどすぐに決まっているような決まっていないようなリズムに破られだらしない声で「テレフォンセックス、バイバ〜イ」とか気になるフレーズの端々が否応なしに耳に飛び込んできて、しばらくするとTodd Rundgren『Wizard A True Star』を聴いているような奇妙な陶酔感におそわれもするんだけど実際はそれよりもはるかにメタメタで、しかもところどころでその持続が寸断されて音がのたうちまわり、アンソロジーであるとはいえその複眼的とはとてもいえない焦点のぼやけた飛躍と反復の連続性が心地よく、あれ?この曲はさっき聴いた曲じゃなかったっけちがったっけそうじゃなかったっけ……と漫然と思っているとやっぱり最初の方に収録されているシングル曲のデモ版だったりするのだがまあ実のところあんまり違いはないというか同じだし本当は同じではないのだけど同じということにしておいても何の問題もないしむしろ積極的にそうしておきたくなるもののやっぱり面倒くさいのでどっちでもよくなってしまう感じがどうにもたまらないわけだが)、年末あたりからUNDER17のラストアルバムもよく聴いていて、さして詳しいわけではないけど彼らはアニメやゲームの業界では珍しくD.I.Y.精神を持ったバンドなのだなあ……と思ったということもあるし、正月が明けてからはこの二枚に加えてふたたびNOODLESを聴くようになってますますその傾向に拍車がかかった(夜中にふと思い出して1stアルバム『重力泥棒』を引っ張り出して聴いてみたらかつて思っていたより最初期からいいバンドだったことにびっくりした、が、「メロウメタリカ」だけは何度聴いてもV.A.『弁天弁当』に入っているロングヴァージョンの方がすばらしい。このバンドはガールズバンド専門のBENTENレーベルに所属していて、その頃はロリータ18号やDROOPやコケッシーズなど錚々たる面子が犇いていて若く時間もあったおかげでぼくもけっこうな頻度でイベントに足を運んでいたんだけどNOODLESは別にその中でも頭ひとつ抜けていたというわけではなく、しかし不敵にも堂に入ったその不思議な佇まいはともすればライヴ会場から浮いてしまってもおかしくはなかった。ナゴムギャルに対抗して弁天ボーイズ……なんていなかったしむしろ客の八割は女の子だったように思うけどアメリカでライヴをしようがメジャーデビューしようがどこか「お祭り」の気分を引きずっていたように感じる、NOODLESを除いては。「だけだった」とは決して言わないけど)。