大事なことを書き忘れた。Great Adventureのアルバムの歌詞掲載部分には《LYRICS written and sung in Something Like English》と書いてある。潔いというかふてぶてしいというか挑発的というか。それでいて1st収録の"GREAT & FUNKY"なんかでは堂々と"Animals..."と巻き上げ"Get a soul !!"と引き伸ばしながら裏返すのだ。なんかただものじゃない感じじゃないか。2ndとくらべると1stのほうがいい感じに力が抜けていてというかよりだらけていて展開にも凹凸があるためというかところどころ異様なくらい気が抜けているためより気軽に聴けるかも知れないが、しかし実際のライヴを体験するか多様性を残しながらも音のテンションをフラットに持続させることでライヴ感を前面に押し出した2ndを聴いたあとだとどうにもベール一枚隔てた向こうで音が蠢いているように感じられ、その意味では物足りなさというか痒いところに手が届かないもどかしさが残ってしまうが別に劣っているというわけではまったくなく一曲目の波打って吹きつけるストリングスの断片とくぐもったドラミングとひたすら鳴らされるシンバル……この「カマシ」にはやっぱり打ちのめされてしまう(そしてアルバムの最後は拍手で締めくくられる。出来すぎじゃないか)。余談だが2nd一曲目の"Any Place Rocks"を聴いていてThe Golden Cupsなんかの記憶を掘り起こされたりしていた。踊れるGSということでどうでしょう?久しぶりに胸騒ぎを与えてくれたような気がします。ちなみにクーラ・シェイカーをより具体的に感じたのは1stの"Long Time"だったと思います、ひょっとしたらあまり好ましい対照ではないかも知れませんが……。
  「3ピースのバンドであること」を肌に刻み込んでいくようなざらついた音が鳴っている。
ROCKS『ROCKS』をよろしく。