コミックビームFellows!なる雑誌。店頭でシャーリー・メディスンの顔が飛び込んできてたちまち色を失いつつ雑誌を手に取り裏返してみると山名沢湖の名前が目に入ったのでとりあえず平静さを取り戻すためにいったん売り場から離れ、店内を一周し何冊かの本を手の内に収めてから戻ってその一番上に置きレジに並んでレジ係のひとに渡したら表紙と同じ絵柄のイラストシートも入れてくれた。創刊というか特別編集の別冊のようなもので二冊同時刊行らしく買ったのはVol.2。『シャーリー』と山名沢湖を突き付けられれば抵抗はできまい。そう考えての布陣だろうか?だとしたらその狙いはあざといくらいに大成功だったのだと思うが、ということはVol.1にも何らかの然るべき仕掛けが施してあるのだろう。特に確認はしない。ともかく『シャーリー』、言葉もない。待った甲斐はあったし待っていたことさえ忘れてしまった。二話収録だということで一気に読むのは勿体ないので一話だけを読み山名沢湖「夏の前の帰り道の」。うまい。空飛ぶじゅうたんのコマは山名世界を凝縮させたような絶妙さで不意をつかれた。彼女の作品は短ければ短いほどいい。でも中くらいのもいい。長いのは……『つぶらら』が11月に発売するようなのでそれで確かめるがいいに決まっている。だがやはり短いのはすぐさま何度も読み返せるのでいい。そして実際に読み返し読み返しもう十回を超えた。その短さを短さとして受け取らせない不思議な読後感とは無関係にこうの史代の『こっこさん』を読み返したくなり、ケンドーコバヤシ藤谷文子山内圭哉が出ていた関西ローカルの深夜番組『見参!アルチュン』を久々に見たくなった。他の漫画はまだ読んでいない。まあそこはぼちぼちと(しかしFellows七つの掟という漫画には「新人から中堅・ベテランまで幅広く起用……」と書いてあるのだが経歴に目を通した限りでは大半が新人、しかも本誌デビューというひとも少なくない。Vol.1はそうではないのだろうか。今後どういうペースで出版されるのかはわからないしおそらくこの二号の売り上げ次第ということだろうが……ちょっとだけ『コミックファウスト』?とかいけない連想をしてしまったのは公然の内緒といったところだろうか)。