心斎橋クラブクアトロにてANIMAL COLLECTIVE。十人十色という言葉があるが、この世には赤や黄色や青という抽象的な混じり気のない色そのものが存在するわけではなく、様々な色同士が様々な割合で混じり合い、決してそれらすべてにあらかじめ名前がついているわけではないのだ(そして人間の個性はそういうものとして尊重されるべきだ)……というような意味ではなく、赤や黄色や青として指示されるあらゆる色が誰にとっても同じような赤や黄色や青として見えているわけではない(だからこそそれは検証や手つづき抜きで絶対的に赤や黄色や青でしかないのだ)……というようなものとして受け取っている(現実に対して言葉はつねに後手にまわるほかない。十人二三色がせいぜいでしょうに。まあ、慣用句としての実際的効用は別として)。たとえば今夜もらったフライヤーにあるように彼らの音楽がカラフルであるとするならば、それはもはやパレットに様々な色が盛られているという程度の意味ではありえまい。今回のライヴの音によって、つまりそういうことなのだ、ということを全身で感じた。一曲目が終了したあたりからすでに額からうえは汗みずくで、そこから一時間半ほどほぼ休む暇なし、じりじりと高揚感が水位を増し、熱を帯びた身体と頭が別々に機能しだす。アンコールは一回で、最後に"Leaf House"きた!!! 終わったころには腰も足もガクガク、髪もボサボサで肌は塩加減をいっそう増しやがてパリパリと剥離した。彼らの演奏の前に現れたゲストのKria Brekkenの美しさも忘れがたい。