ついさっき万田邦敏『接吻』を見て帰ってきたところ。こういう映画を観て即座に内容に立ち入った感想を口にしてしまうのは品がないとは思うし、そうせざるをえないのならば残念なことだなあと予定調和的な一抹の情けなさと侘びしさを禁じ得ないのだけど、大阪では現在のところ二週間の上映期間しか確保されていない、少なくとも現段階ではそのように発表されているのだから、動員に関して何の助力にもなりえないだろうしまたそのような積極的働きかけをするつもりもないものの、ともかく上映期間中に何らかの肯定的な感想を形にしたい、というのは果たして映画に対する良心といえるのかどうか。むろん観るならDVDでもいいわけだが、『Unloved』の例もあるし(今回は大丈夫だと思うけど)、劇場のスクリーンでの上映を意識して撮影されたものは劇場で観た方がいいに決まっている(それがフィルムであれデジタルであれ。ペドロ・コスタ黒沢清を経たいま、少なくとも上映に関してはそんな区別はほとんど無意味になってしまった)。