シャマランを観るぞ!と鼻息あらく出かけたが気がついたら『崖の上のポニョ』を泣きながら観ていた、というありがちな顛末。やりたくないことは極力やらず、やりたいことだけを全力でやったという印象を持つ。実質的にこれが遺作でもいいのではないだろうか、と勝手に思ったりもした(次作が想像できないし、思いがけぬ場所に姿を現す、というのも何か違う気がする)。彼の作品群の中ではかなりいい方だと思う。やっぱりおでこ同士がぶつかる描写に関しては天才的。しかしながらシネコン形式の映画館に足を運ぶことも何ヶ月かに一度くらいはあるのだけど今回はインディ・ジョーンズポケモンが重なったためか足を踏み入れるやあまりの人いきれと甘ったるい砂糖の匂いに閉口した。いったいこれだけの人がどこに潜んでいたんだ!? いや、もちろん映画館以外のそこかしこに散らばってはいたんだろうが、ではなぜこの日はよりにもよって映画館なんぞに? デパートやショッピングモールで買い物していてふらふらと迷い込んでしまったとでもいうのだろうか。だとしたら巧妙な罠を仕掛けたものだと思うが……。