性懲りもなく追記:四畳半神話大系

とにかく早く書き上げたい一心ででっち上げたものの、昼寝してある程度すっきりした頭でざっと読み返してみるとあまりにひどい文章ではある。観念絵夢の記述必要ないじゃん、てなことにもなっている。だが頭をよぎってしまったのだからしょうがないし、その記述を支えたのは観念氏の濁った瞳とぎこちない生存様態なのだ。問題はやはり卑屈にして全能たる「私」が名付けられることを避け、その怪異(魁偉)性を小津に残らず押し付け、そのくせ気まぐれのごとく一片の純情だけは残しておき、最後はそれごとまんまと回収せしめてしまうという……しかもそのあいだ個性的でゆがんだ登場人物たちのあいだをあくまで最後方のポジションを維持し、自意識を甘噛みしながら(あたかも市井の精神分析医を模倣するかのように)横切りつつ、ひたすら全能感だけを蓄え、そしてお膳立てされた四畳半世界を全力疾走した挙句、「あらかじめ決められた恋人」であるところの坂本真綾のもとへと転がり出る……いや、明石さんを坂本真綾と記述した時点でとたんに恨みがましいにおいが立ち込めるのだが、まあそのへんの事情は『Lucy』でも聴いて推察していただくのがよろしかろう、ということで。今度こそ終わり。