七尾旅人かと思ったらCHARAでした

 『ラザロ』『狂気の海』『一万年、後....。』の三作がいずれも学生とともに(『一万年』はそういう企画ではじまり、実際にはそうならなかったようだが)DVで撮られた2007年公開作であることに何の意味があるのかというと別段何の意味もないのだろうがこの偶然を僥倖としていけしゃあしゃあと迎え入れいっそ昨年を新映画元年と遅ればせながらも定めてしまってはどうか。この三作は三様のあり方でかつて娯楽だったといわれている映画というものに酷似している……というかそれを知っているものの多くはすでに死に絶えるか口を閉ざしているかメディアから駆逐されてしまっているのだから我々にとってこれはもう映画そのものだと言い張ってかまわないわけだ。大昔のモノクロやサイレント映画の鼓動がその様式性を伴うことなく息づいている。「先」だったからという理由だけで不当に葬られ、無理やり忘れ去られていったものたちの妄念。ひとつだけはっきりしている。これらは間違いなく、この我々の映画なのだ。そのことを大々的に高らかに、いかな混じりけもない信念のもと堂々と宣言しなければならない。もちろん表に出て!