2004-01-01から1年間の記事一覧

『SHORTCIRCUIT』/V.A. 風の噂の又聞きをおもちゃの無線機で偶然傍受した夢を見たにすぎないんだけどある文芸誌に掲載された美術に関するシンポジウムの中でオタク文化の話になって、つまりいまいかにもオタク文化が盛り上がっているように見えるけど全然そ…

2004年の音楽その1

道端でうっかり拾いかけてあわてて手を引っ込めたあの忌まわしき「ハゲシクドウイ」はもうすべて回収され無事に廃棄されたのだろうか。引用するものと引用されるものがしごくあっさりと一致するときどこからか素知らぬ顔でその呪文が沸いて出てくるここはこ…

2004年について

……何の言葉も持ち合わせていないしあくまで知らぬ存ぜぬをつきとおすつもりなので今年観た映画やら聴いた音楽やらの芸のない羅列を飽きるまでやってみようと思う(とりあえずまだ飽きていない)。今年もっとも感動した映像作品は"STAR WARS KID"だった……とい…

○○はとッても論理的だし理知的だょね、というとたちまちそれに反対する声が方々から挙がって困惑した……というある種の証言のお粗末な再現。○○はよく理屈っぽいだとか理性的だとか評されますが○○はむしろ理屈を避けようとして言葉を尽くしているのだし理性で…

分身について その1

我々はいつも真の身体を夢見ている/偽の身体に曝されながら/想念の内にある/輪郭のにじんだ/決して手の届かない/しかしいつも傍らにあり/ただ寄り添うしかない/すべての虚ろにひそむ豊かさを/やはり掴み損ね/充実や生きがいを埋めこむ装置に/曝さ…

理屈も結論もない話だけど時、事、物、順列によって記憶の密度が異なっている。数年前のことより十数年前のことのほうが生々しいのはざらで、むしろその数年前のことは夢のように朧で手触りがなく、かと思えば何てことのない言葉のやり取りを不意に思い出し…

いま気づいたのだけど世界が格子状に見えている。これは比喩ではなくて本当に眼球に格子模様が貼りついているかのように視界にうっすら透過した、よく注意するとただの横じまだったけど黒と白の模様が刻まれていて消えてくれない。ところでさっき少しだけ発…

うろ覚えのまま蓮實重彦覚え書き(瑣末事を中心に)

好き→『コラテラル』『キルビル』 観てない→『下妻物語』『スウィングガールズ』 「マフマルバフは嫌いです」 『幕末剣史 長恨』は世界最高の映画。これをみせればゴダールは謝る。というか伊藤大輔と山中貞夫を観てたら『映画史』なんて撮れなかったはず。 …

京都大学にて“映画談義”。はじめて生で話を聞く蓮實重彦にひたすら圧倒され、また中原昌也にひたすら和んでしまった。たとえ話す人と聞く人にわかれていたとしてもメディアを介することなく生で接するとその人の豊かさを否応なしに受け取ってしまってやっぱ…

おかしな言い方だけど黒沢清ってつくづく信用できる男だなあ……と彼の言葉に接するたびに思ってしまう。高橋洋は黒沢氏を「本音を言わない男」だと言っているけどもちろんだからこそ信用できるということで(とはいえこの「だからこそ」は「本音を言わないか…

ornette colemanはしかしこれでもやっぱりジャズなのだろうか……ということを今度ジャズ&ボサノバマニアの旧友に訊いてみようかとも思うのだけどなんとなく答えは想像がつくし最近はたまにメールがきたかと思えば株式とか「国民健康保険は高い」とか○○の犯人…

「YES オノ・ヨーコ」展、「マルセル・デュシャンと20世紀美術」展につづけざま(とはいえ二週間ほどおいてだけど)に行く。 「デュシャン」展について。入り口に《大ガラス》と題された大きなカラスの張りぼてが置いてあって腰を抜かしそうになるが、とも…

保坂和志「病的な想像力でない小説」(『新潮』11月号)。滅多にないことだけど今日は電車の中でずっとメールを打っていて(周りの音や風景を巻き込みながらしばらく本を読みふと顔をあげてぼんやりと頭に浮かんだ散発的な何ごとかを頭の隅に放っておいた別の…

お気に入りの映画のことを「この映画が本だったらよかったのに。いつでも読み返せるから」と言っていたのは誰だったか(と書いた端からひょっとしたら一條裕子だったかも知れないと思いはじめていてならばそれは何の映画だったのだろうかと考えはじめると同…

右脳と左脳の話はもうやめて

目が覚めたというのはもちろん目が覚めたあとの言葉で、その朝のいつどの時点で「目が覚めた」のかは実のところよくわからない。ともかく何か夢を見ていて、その夢とクロスフェードするように目が覚めた……という自覚もなくて「夢を見つつ目が覚めつつ」の状…

時間と空間を切り離すことは出来るのだろうか。1秒、2秒、3秒……と刻々と進む時計の針を見ているだけでひとまず時間という概念を具体的に視ているような気分にはなれるけど(たとえば「いまは五分後の五分前だけど十二分後の二十分前からすると八分後だ」とい…

子供のころの写真を見てもまったくおぼえていないこととおどろくほど鮮明におぼえていることがあって、それも写真を見てから記憶が喚起されたということでもなくて見る前からたしかにおぼえていて、とはいえ頻繁に思い出していたというわけでもないし実際に…

今週はひたすらポール・マッカートニーを盲目的に称賛しつづけたい気分だ(けど今週も残すところあと一日なのが残念無念)。最近はWhy Sheep?と新居昭乃の新譜を聴いていて、どちらもかなり久々のリリースでしかも相当の傑作なので何度もかけてみながらいろ…

実家の猫が戻ってこない。いなくなってそろそろ半月が経っていて、しかもいなくなったのは台風が直撃する二日前、妹が拾ってきたのが14年くらい前だからかなりの高齢ということになるんだけど、ここ一年以上日中はずっとどこかの物陰にいるらしくほとんど姿…

amazon.co,jpからTHROBBING GRISTLE『20 Jazz Funk Greats』とBrian Wilson『SMiLE』が届く。この世からそろそろ「表現」なるものが一掃されてほしい。別に一掃されなくとも自分に関係のないところでひっそりと後ろめたくやっていてほしい。表現すべきものが…

ラス・メイヤー一週忌

本当に死んでしまった。信じてたのに(不死だと)。特に最新作『パンドラ・ピークス』を観てしまってからは落ち着かない夜がつづいた。まずこの映画がすばらしいのはなぜこんなものが撮られたのかがさっぱりわからないところだ。しかも「異星人が……」とか「…

「桜の開花は目前に迫っていた」というこの小説?について何事かを言う材料は目下のところこれそのものしかなくて、ある程度もっともらしいことなら言えそうな気もするけどそれを避けて何かを言おうとすると途端に難しくなる。やっぱりそれは本文にも書いて…

近頃といえば挨拶はもっぱら「ウバル?」や「ウッフーイ」ばかり

保坂和志の「桜の開花は目前に迫っていた」を遅ればせながら読んだ。氏の公式ホームページではエッセイ集のページに掲載されている。だけどわたしはこれを小説として読んでしまった。小説として読んでいて、おもしろいかどうかよくわからず、それでもいつの…