2006-01-01から1年間の記事一覧

吉増剛造の千原Jr.に似てきたる由

音楽はどこに潜んでいるかわからないし当然あるべき場所にあるとも限らない。いまそこで鳴っている音とは別物として音楽は想像的なものでしかありえないし、音という名の運動、働きかけ、衝突、痕跡が消え、去り、誰もが忘れ果てたあとの学問、つまり音学と…

XTC"Knuckle down"の歌い出しって"Till there was you"みたいっすね……(音のアプローチというか響き方は『Love you』あたりのThe beach boysを彷彿とさせるが。このアルバムは三曲目でとつぜんメロディの塊が降って湧く……実はとうにそのただ中にいたのだがあ…

「あえて」など必要ない。黙ってやれ。やらないなら黙っていろ。言語と行為の関係がこの二択に収まってしまうならば誰も苦労はしないがそのことを差し引いてもその物欲しげな面持ちを粉々に粉砕するにはじゅうぶんだ。「いまさら」だっていい、だって「いま…

とっくに受付終了になっていたはずがたまたまのぞいてみたらなぜか購入可能になっていたので本日無事『THE IDOLM@STER』通常版(とXbox360用フェースプレートのセット)の予約を衝動的に完了してしまった(直後に確認してみたらまだ購入可能で、数分後に再度…

Frederic Wiseman "Meat" "Near Death"、黒沢清『LOFT』、川崎和男展。先に川崎展について書くとこれはひと目見てすぐわかる面白い展示。順路のはじめに位置する部屋に半円に区切られたステージに数十台のモニターとそれを背後から映し出す鏡面が据えられて…

小島信夫が「芥川賞作家」呼ばわりされている。そうか獲っていたっけなあ、そうでないはずはないよなあ……と思う。いつまでも「アメリカン・スクール」でもあるまいになあ……とも思うがそんなことは即座に忘れる(で、いま思い出したがたぶんまたすぐ忘れる)…

物語終了ののち、全員病死

メールでその報を知り、数時間前にすでに届けられてたその報せをようやく受け取り、「ふむ……」と瞬間思考が硬直しつつもひとまず瞑目し、しかしともかく列車の時刻に遅れぬよう薄暗さを整えはじめた露天アーケードをときおり駆け出しながらも基調は早歩きで…

コミックビームFellows!なる雑誌。店頭でシャーリー・メディスンの顔が飛び込んできてたちまち色を失いつつ雑誌を手に取り裏返してみると山名沢湖の名前が目に入ったのでとりあえず平静さを取り戻すためにいったん売り場から離れ、店内を一周し何冊かの本を…

五穀米カレー、食べたし

『レディ・イン・ザ・ウォーター』を観終えて、すなわちラストを通過し、終盤のいかにも即席で場当たり的で不格好な儀式、「告白」する管理人の後ろでつながれた手のぞんざいさに、全体が捉えられるのではなくその連結の断片だけが背後にそっと映り込むその…

ジョー・ダンテとシャマランには何が何でも映画を撮らせつづけよ!

蓮實 中上健次の『枯木灘』だってそうですよ。みんな、偶然に腹違いの妹と一緒になったりするはずないっていうわけでしょう。ところがそれを書いた後で中上は真剣になっちゃって、それをパロディのパロディというふうに考えないで、実際にはそういうのはいた…

YouTube 歌いはじめて間もなくブライアンの手がカールの肩にまわる。ここで泣かずにいられようか。いられない人種もいるのだ、ということだ。もちろん泣くほかない。当然美しいハーモニーも健在なのだが、それに留まらずところどころに染みのようにわずかな…

プロペラを止めた、頭取の声を聞くために

とりあえずFrederic Wisemanについては三本すべて見る強行軍敢行の方向で検討中。『臨死』を外すなんてお話にもならないでしょう、ということで半ば押し切る形で。その前の週の『キングス&クイーン』も見逃すわけにはいかないのでちょっと大変なことになり…

ワイズマンキターーーーー!

いざ金沢三度。『肉』『法と秩序』の二点狙いで行くか『臨死』の一点狙いで行くか迷うぜ。金沢移住をそろそろ検討しはじめるべきか?冗談きついよ。

静観を決め込みたいので小耳に挟むくらいで留めておきたいが『おたく☆まっしぐら』のあまりのシステム不備というか杜撰な仕上がり具合に各地で阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられているとかいないとか。同人やロープライスものをのぞくと『SummerDays』以来の…

かつて一票を投じたように記憶しているがブレッソン『シネマトグラフ覚書』が筑摩書房のフェアか何かで約二十年ぶりの増刷。相当にめでたい。賢明だが愚図な諸兄はたかだか二千円なのでなくならないうちに買っておくが吉かと思われます。本当に書籍って安い…

何度目かの挑戦か知れないが埒があかないのでとりあえず最近観た映画、買ったものなどについての記述を半年くらいは継続的に連ねていきたい。 黒沢清『LOFT』。まず冒頭の色とりどりに煌めく湖のカットで『回転』を思い出した……が実はおそらくここには鑑賞時…

もう警察に言うしかないな

Voltage of Imagination「あさやけぼーだーらいん」制作がblogにて正式告知。そしてプレサイトにてサンプル音源とイメージが公開。茶太氏は全面参加なのかone of themなのかは不明だがとにかく彼女の歌唱によるサンプル曲にもうすんでのところで死にそう。心…

OL新案・まろびデリ

十九世紀が生のいくつかの側面に与えた組織的完全さそのものが、その受益者たる大衆が、それを組織とは考えず自然物と見なしている原因なのである。かくして、それら大衆が自ら暴露している彼らの不合理な心的状態が明確になる。つまり、彼らの最大の関心事…

まあ(いままで自分が)書いたものもよくないか知らないけどさ、それをこう一から十まで信じてね、でその上疑問があったら、その書いた人に解いてもらおうとか思って会いにくるわけじゃん。なんかねえ、ああ、つまらないことをしたなという感じが一瞬するね…

括約筋の申し子たちに揉まれつつ日々通う苦悶塾の帰りに寄ることができるのは距離と開店時間の兼ね合いからせいぜい難波のとらのあなかタワーレコードくらい。で、その日はタワレコへ。例のスローガンには賛同しかねるがなんば店は適度な人口密度で試聴機も…

SUMMER DAYS [ AND DEBUG NIGHTS!! ]

金沢則文祭りが終わって一週間以上が過ぎ、記憶イメージも徐々に鮮明さを失いつつあるが『シルクハットの大親分』の感想がいまだ書けずにいる。どんな見苦しいものであれ形にしたいし、とりあえず報告に一区切りをつけたほうがいい……書くことは決まっている…

遅まきながらSyd Barrettの訃報を知り、居ても立ってもいられず部屋からJandek(なんで日本ではヤンデックと表記されることが多いのかが不思議だ。OASISをわざわざオゥエイシスと表記せよとは言わないが、ジャンデックは別に元々流通していた名詞でもないし…

金沢報告つづき

『シルクハットの大親分』を観られたことが最大の幸運だったと思う……いや最大の幸運はそれを鈴木則文監督といっしょの空間で観ることができたことだし、まるであらかじめ仕掛けられたかのような幾重もの偶然の折り重なりの末の奇跡とも言うべき中原昌也のゲ…

『ローズ・イン・タイドランド』を観に行ったときに強制的に付き合われた数本の予告編には心底うんざりさせられた。わけのわからない宝石とか化粧品とかのCMを見せられるよりはましだが、なぜ高い料金を払ってまで見たくもない作品の単なる宣伝を見せつけら…

のりぶみ≠そくぶん

とりあえず本日金沢より戻りました。土曜日の夜から日曜日の昼あたりまでかなりひどい雨に遭遇して、特に土曜日は旅館から自転車を借りてきていたのでかなり大変ではあったけど、とにかく内容には満足、そして感動。スケジュールは予定通りで、二日目は午後…

『ローズ・イン・タイドランド』その1

例のごとく上映期間が短く、また来週は金沢行きで、しかしどうしても劇場で観る必要性を感じていたので初日の第一回目に『ローズ・イン・タイドランド』へ。映画を劇場で観なくてはならない理由などあるのか。スクリーンは不在のときでさえもその残酷さばか…

ストラットアップ、はじめました

ちょっと前まで10ページ足らずの分量でありながら一話分相当でひとまず満腹感が喉元に押し寄せる尾玉なみえ『スパル・たかし』を気怠くやり過ごしたあとなお時間が許せばヤーン『十三の無気味な物語』の一編を読んでから床につくことが夜の習慣になっていた…

某氏に報告も兼ねて

そういうわけで諦めかけたこともありましたがけっきょく(ワイズマン特集、リヒター展につづいて)三度金沢行き決定と相成りました。映画の極意vol.5<鈴木則文/エンタテインメントの極意>/シアタ−21 Theater21 御大ご本人も来場されるのだからまあ行か…

ある呪いについて

たとえば後藤明生の『挟み撃ち』がある。どういう小説か。こうはじまる。《ある日のことである。わたしはとつぜん一羽の鳥を思い出した。しかし、鳥とはいっても早起き鳥のことだ。ジ・アーリィ・バード・キャッチズ・ア・ウォーム。早起き鳥は虫をつかまえ…

おそれていたとおり高橋悠治コレクションのおかげで大変な散財に。予約入金済みだった片霧烈火『がーるずvらいふ』を回収し(レコ初ミニライヴに参加しました。トーク+三曲+サイン会。『幻想廃人』リメイク(?)、造語アルバム延期、夏コミでのにゃんこっ…