うろ覚えのまま蓮實重彦覚え書き(瑣末事を中心に)
- 好き→『コラテラル』『キルビル』
- 観てない→『下妻物語』『スウィングガールズ』
- 「マフマルバフは嫌いです」
- 『幕末剣史 長恨』は世界最高の映画。これをみせればゴダールは謝る。というか伊藤大輔と山中貞夫を観てたら『映画史』なんて撮れなかったはず。
- 「我々」はせいぜい『長恨』をみせて謝らせるくらいのことしかできないが若い人たちにはできることがあるはず。中原「ぼくにできるのはせいぜいゴダールを刺すことくらい……」
- 「キャシャーン!何なんですかあれは」(観たらしい。関連して『犬猫』ほめる)
- 『ふたつの時、ふたりの時間』のジャン=ピエール・レオーは(中原氏は許していたけど)許せないとかなんとか。「ミンリャン一人いなくなってもどうってことない」
- 『徳川セックス禁止令』と『エロ将軍と二十一人の愛妾』をごっちゃにしていたような……。(ちなみに後者はビデオが難波のTSUTAYAあったような。ほかにも『由美香』とか『聖獣学園』とか)
- 「鈴木則文はアメリカ映画が最低限クリアすべき水準を示しつづけている」
- 是枝裕和は現在日本でもっとも優れた監督の一人。
- 「浅野忠信は稀有な俳優だと思います」
- 「いま日本に女優がいますか?」
- 『犬猫』の小池栄子を激賞。「胸の豊かなひと」「栄子ちゃん」
- 『鏡の女たち』の一色紗英はすばらしい。
- 映画の中で誰か一人だけと言われればムルナウ。ムルナウを観ていなければはじまらない。「ムルナウがトーキーに間に合わなかったのは幸福なことです」「サイレントなのに音が聞こえてくる」
- フランスから出る溝口のDVD-BOXのためにペドロ・コスタよりインタビューを受ける。「なにより撮っているのがあのペドロ・コスタですから」
- 映画史を参照するべきか、なにも知らずに一から映画を撮るのか、映画を死なせないためにはどうすればよいのか?という中原氏の問いかけに対して。「決定的なことはあまり言いたくないのですが……いまだかつて映画史を参照せずに撮られた傑作はないんです」
- 『御法度』はすばらしい。豊かな映画。貶すひとが多かったが信じられない。「いつか制裁を下します」中原氏「じゃあぼくも……」(ボソリ)
- 「最近アメリカにはアンダースンという名前が多くてややこしい。禁止すべきです」
- 「P.T.アンダースンはまだまだ」
- フォードの映画から投げる場面だけを集めた"John Ford and Throwing"という映画を作るつもりである。中原「自分で撮ってないじゃないですか。それなら明日にでも作れますよ!」
- 『ロードオブザリング』は三作目がいちばん好き。「三作も撮るな」とは言っていたけど。「映画監督ではないがニュージーランドからいい作家が出てきた」
- 「彼の一作目はなかなか……」中原「ブレインデッド?そんなものまで観てるんですか」「大好きですから!」
- 『珈琲時光』での蓮實氏のシーンについて。「ラッシュの段階ですでに切られていました。その場で見せてもらったんです。わたしが監督でも切ります」
- 中原「あの映画は何が撮りたかったんですかね」「電車でしょう」
- 「たかが電車で女がねむりこけているだけのシーンなのにすばらしいんです」
- 映画におけるキスシーンについて。セックスは本当にしないがキスは本当にする。作中人物と役者の肉体が乖離する。「スピルバーグはキスをしたこともキスシーンを観たこともないんでしょう。いや、本当に」
- 言い間違いについて。自分は清水崇をはじめ清水祟(タタリ)と読んでしまったがためにいまでもそう言ってしまう。「だってたたりを撮っているじゃないですか」
- つづけてモーパッサンをモーサッパンと言ってしまうあるフランス語の教授の話。必ず「これからわたしはモーパッサンをモーサッパンと言いますがいちいち直したりはしません」と断りを入れてから授業をはじめたらしい。
- 映画は十九世紀に見つけてしまった厄介なもの。
その他。時間がなくなったので中断。メモをしていなかったので単語ほか散々怪しい次第。どれだけ思い出しても欠落感がぬぐえない。