2005-01-01から1年間の記事一覧

パソコン復帰

小説でも本でもないけど飽きたわけでも生活にのっぴきならぬ事情があったわけでもないのにゲーム『AIR』を一年のあいだ開きっぱなしにしていたことにはさしたる理由はないがそれが可能なのはあくまで三部構成の第一部目までで、第二部は基本的には悲劇のモテ…

《私は生きることなく、なんと多くのものごとを生きたことだろう。考えることなく、なんと多くのものごとを考えたことだろう。私は、不動の暴力の世界や、動きのまるでない冒険の世界が、私に重くのしかかるのを感じる。いまだかつて所有したことも、これか…

《あなたは子どもは天使だという。たしかにいった。しかしその天使の髪の毛は十年もしないうちに爛れおち爪は反りかえり肌は捲れあがりその内の腐敗をあらわにする。『カレイエス探訪』にはこう書いてある。《夢の道すがら/薄明の海岸にて天使の舞うを感じ…

現在仕事場にしているところから引き戸一枚を隔てて建っている山積みに整理されたいまや使われなくなった用途がいまひとつわからない、あるいはわかりすぎてかつてここで本当に使われていたことがにわかには信じがたいほこりをかぶった工具類や機械類が一部…

感想

心理をまったく欠いた心理劇……という言い方が許されるのならそう呼ぼう、Jean Renoir『浜辺の女』('46)。観ていてひたすらおもしろいのだがけっきょく終わったあとは何が何だかわからなく唖然としたまま忘れてしまうことを余儀なくされる。観ている最中はシ…

スプーンを曲げることができなくなってどのくらい経つだろう。とはいえかつて神童だった少年が年齢とともに能力をうしない……という劇的な話ではなくただ曲げられなくなった。その前にスプーンを曲げる、曲げるものとしてのスプーンという認識そのものを長ら…

このところD.I.Yについて考えていた……のは引きつづきThe Homosexualsを聴いているからなんだけど(まだ聴いていない頑固者は早いとこここらへんで買っておけよ! 翌日に山積みの仕事が控えていてもかまわずドラクエも犬マゲスのよだれを壷にひたすら溜め込み…

地下に降りるエレベーターからずっと右肩の奥あたりから低域と高域が擦れあうような音が聞こえていて、やがて音と音が衝突し、衝突しきれずなし崩しに絡まり、剥離し、散らばり、染み入るように消え去ったかと思えばどこかしらかで炸裂してふたたびリズムを…

どこまで伝わるかわからないけど、これは初夢の話……かも知れない。見たのはさっき、『asTral glamour』/The Homosexuals*1をかけながら右の眼球の裏側にひろがる鈍い痛みを抱え込んでベッドの中で呪言を呟いていて五分だか十分だか十五分だか、この寒さはど…