2006-01-01から1年間の記事一覧

再・感想

Georg Buchner未完の戯曲「ヴォイツェク」を原稿一覧表や構成対照表を適宜参照して読み眺めながら、まあ『涼宮ハルヒの憂鬱』程度のシャッフルで大騒ぎされてもねえ……と見当違いというかお門違いな感慨にもたれていたら(いまさらだけどこの作品は放送第一回…

わずかであれ恥辱を禁じ得ないが日々の生活スケジュールはおおはば固定的なのでたいていは一日に何十分か宵闇のなか不意の障害さえ生じなければ完全に光を閉ざしても辿れそうなくらいじゅうぶんに見知ったルートをぼんやりと歩む時間を得るのだけど週に一度…

ある日。よし、The Peter Brotzmann octetの『MACHINE GUN』でも買うべ……と意気揚々amazon.co.jpを覗いてみたらアホほど高価い。そんなものか……と一度はショッピングカートに入れてはみたがやはりこれは逆説的な神の啓示であると思い直してカートから外し胸…

OLとして言う

無数の羽根と肥料と藁屑が舞い詰められたそのベンチャー系ヒツジ小屋の奥はほとんど用をなしていないもののいちおうは倉庫になっていて駐車場や小屋主家族のすむ住宅部へとつながっているのだけどそこに半ば追いやられるような格好で設置されている男女共用…

輝かざる断片

先週くらいのことだが深夜テレビのチャンネルを替えていると何やらバラエティ番組が映って状況はよくおぼえていないがユースケサンタマリアが虚ろな瞳でカメラに向かって「萌え〜」とあくまでフラットに喉の奥にしまっておいたものをそのまま吐き出すかのよ…

アニメの感想を羅列

◎『涼宮ハルヒの憂鬱』(と打っていたらたったいまATOKに自動で単語登録されたヨ!今後はもうBSキィでわざわざ「りょうみや」と打ち直さなくても済むネ。ところでテリオスのHPが重すぎなのは仕様ですか?まさか『Chanter』大人気なんでしょうか。まあこっちは…

報告だけ

ポルケ展の帰りにうろついていた淀屋橋駅付近の横断歩道前で出会った。電柱にくくりつけられたボール紙のポスター、それを覆うように貼られた汚らしいアジビラ、はじめはそのまま見過ごしそうになったのだがふと思い当たるところがあって立ち止まり、まさか…

中原昌也『KKKベストセラー』が単行本化されるなんて思わなかった。この小説を最後まで読めば余すところなく理解できるように朝日新聞社とは件の島雅彦騒動にて絶縁したのだろうからこれは出版を利用した無方向的な壮大でみみっちい嫌がらせなのだと思う。表…

残骸

http://www.kawade.co.jp/np/forthcoming.html(河出書房の新刊リスト)によると高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』が来月に文庫化するらしい。ああ、そういえばまだだったっけ?しかしなんでいまさら河出で……という印象を抱くもすぐに注意は五月中旬のク…

なぜか配達が遅れていた『ぱにぽにだっしゅ!』のDVD第6巻がようやく届いたので第22話のラスト(妖怪つるべ落としとともに教室の天井から落ちてきた芹沢茜と一条さんが『ゲゲゲの鬼太郎』エンディングよろしく跳ねたり頭を付き合わせたりする)にふたたび泣…

寝るのが惜しい。なぜなら音楽は決まって夜寝る前に訪れるからだ。パソコンの電源を落とし、オーディオのタイマーを確かめ、火の元をあらため、場合によっては用を足し、布団の温度を確かめてから消灯する。すでに身体は開かれ、意識との共振にさらされてい…

ARCTIC MONKEYSのライヴ音源(ファンが録音したものでおどろくほど演奏がクリアです。トロント、ダブリン、東京ほかセッションやリミックスなどbootleg音源多数。熱心なファンというわけではないのですべて聴いたりはしませんが……)を聴きながら落としつつ赴…

Yoonkee『ASIAN ZOMBIE』を聴きながら五十嵐大介の『はなしっぱなし』を読んでいたらあまりにしっくりきたのかあまりの食い合わせに五感がおどろいたのかもう泣けてきてしょうがない。特に"Asian zombie in inglan"と「ゼンマイ」の取り合わせがやばかった。…

DOOPEESの2ndアルバムが発売されるらしいと聞いたが……本当なのか?今度こそ期待していいのだろうか?"coming soon!"で何年も待たされるということはない?かつては絶妙なタイミングでシャンプーのCMで使用されたりなんかして勝手に期待を煽られたりしたもの…

《さて、自然は、人間が地上のあらゆる場所で生活できるように配慮したが、しかしまた自然は同時に、人間が好みに反してでもあらゆる場所で生活すべきことを専断的に望んだのである。しかもこの「すべし」は、同時に義務概念を前提して、この義務概念が道徳…

クイズの時間です

老朽化した水道管やガス管が剥き出しになった壁面、壁紙のところどころがめくりあがり、もはやほとんど用を果たさなくなった電気のスイッチの周囲には手垢のような黒ずんだ生活の痕跡が寄り添うように付着している。この部屋の中央に老婆の死体が転がってい…

世紀の隙間からの抜粋(仮)

床板のはざまから生えるかのように突き出し身を寄せあいながら螺旋状にうずたかく積み上げられその一部は天井にまで達しようとしている無数の本の山の中にひしめいている崩落しかかったページの隙間より這い出るべく顎の線の鋭角のくびれから透明の液体を滴…

以下は個人的メモとして茶太買いの記録。茶太氏の歌が収録されていたら深く考えることなくとりあえず買い求めることを心の習慣としているわけだ。少しはたまってきてしまったかしら、と不安になったので自戒を込めて持ち物を羅列することにしました。もちろ…

《オウノウって、苦悩のことですよ。りっしんべんに奥って書いてオウって読んで、下は同じく悩みのノウ。文語ですね。苦悩っていうのは恥ずかしいので、今ついそう言っちゃったんだと思います。自分にも、人並みにそういう苦悩を表現したいところがあるんで…

《ただ子どもの本だけを読むこと、ただ子どもの思いだけを愛おしむこと、大きなことはすっかり遠くへ吹き散らすこと、この深い悲しみのなかから蹶ち上がること。ぼくは生あることに死ぬほど疲れてしまった、生からうけとるものはなにもない、けれども貧しい…

チェルフィッチュ『目的地』をNHKで途中から観た。放映することは事前に知っていたがうっかり忘れるところだった。ひとまずこの作品に対していま総体的に言えることは何もない。客席には張りつめた停滞感が垂れ込めていてあまり雰囲気がよくなかったように感…

『レイクサイドマーダーケース』をDVDで観た。直接的なきっかけは公開当初に友人のネジりん坊があまりに悪口を言っていたからなのだけど、これが彼の青山真治とのファーストコンタクトである以上ここで下手にヘソを曲げられ『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』…

「多様性」という語彙を不用意に使いすぎたろうか、とふと気になった。最近ではGreat Adventureの新譜とリヒター展について言及する際に用いたように思うがそれはどちらかといえば「一様性」に裏打ちされたものその発露の仕方のひとつの様態というほどの意味…